前回の記事で、マイニングの楽しさと今更の将来性に期待して、マイニング専用機を作ってみたい、と記載しました。
実際に作るにあたって、どのようにグラフィックボードと電源の配線をすれば安全なのか、理解していなかったので、考えてみたいと思います。
配線コネクタ規格
マイニングは、連続して負荷をかけ続けるため、配線をきっちり規格内で行った方がいいです。ケーブルやコネクタから発火させて火事など考えたくもないです。
グラフィックボードと電源で使用するコネクタの規格があります。それらを調べてみました。
種類 | 電力規格 | 備考 |
8pin(6+2pin) | 150W | |
6pin | 75W | |
SATA | 54W | 12Vx4.5A |
ペリフェラル(4pin) | 60W | 12Vx5A |
FDD(4pin) | 24W | 12Vx2A |
あとは、マザーボードPCI-expressから供給可能な電力ですが、以下の通りとなります。
・PCI-ex16は75Wの電力供給が可能。
・PCI-e x1は25Wの電力供給が可能。
ケーブルの規格も本来ならば考慮しないといけないのですが、そこは電源付属のケーブル使用前提なので、当然規格を満足している、として考えます。
グラフィックボードの必要電力
グラフィックボードも演算能力がそれほど高く無いものでは、PCI-e x16で供給可能な75Wで駆動することができていましたが、最近のハイパワーのものでは、75Wでは不足するため、直接電源から不足分を供給する作りとなっています。それを補助電源と謳っています。
下記HPによると、PCI-eと補助電源から同等に電力を供給し、不足する分は補助電源から供給するようになっているようです。
http://www.tomshardware.com/reviews/nvidia-geforce-gtx-1080-pascal,4572-10.html
つまり、私が所有している玄人志向1080Tiのボードでは、8+6pinが補助電源として用意されているということは、最大で75W(PCI-e)+150W(8pin)+75W(6pin)=300Wが供給可能な設計となっているということです。
実際に、100%の能力で使用すると使用電力は250W程度なので、ある程度の余裕は持っているということですね。
実際の配線について
それでは、実際にグラフィックボードの配線を考えます。
電源についてきたPCI-e接続用ケーブルは、電源側8pinに(6pin+2pin)のコネクタが2つついているものです。
ネットで調べると、この分岐ケーブル1本でグラフィックボードの補助電源8pinと6pinに繋げる人もいるようですが、規格を元に考えてみると、8pin規格の150W以内での使用なら大丈夫、ということになります。
私の1080ti場合は、250W(グラフィックボード)ー75W(PCI-e)=175Wなので、NGとなります。
85%のリミットをかけると、使用電力が220W程度となるので使用電力は145Wとなり、一応規格内にはなりますが、ここは安全を取っておこうと思います。
となると、8pin-8pinの他に、補助電源の6pinを電源に直接繋げる必要が出てきます。6pinを8pinに繋げるのは可能ですが、他にグラフィックボードを繋げることを考えると、もったいないので、6pin-6pinとします。
グラフィックボードには6pinからペリフェラルx2のケーブルがついていました。これならば、6pinからフルに電力供給されても75W/2=38Wとなり、ペリフェラル規格以内なので大丈夫、となります。
ライザーカード
複数、グラフィックボードを繋げることを考えると、ライザーカードが必要となります。これは75Wの電力が必要となっており、供給コネクタとケーブルとして、6pinーSATA変換ケーブルが付属するものがあります。
ライザーカードはPCI-e x1に差し込みます。通常PCI-e x16で75Wまで供給されていた電力がPCI-e x1ですと25Wまでしか供給されなくなってしまうため、75Wの電力を電源から供給する必要がある、ということですね。
75Wを供給するのに、SATA変換ケーブルでは、SATAコネクタ規格が54Wなので規格外です。2個までなら大丈夫という都市伝説のような意見もあるようですが、規格から考えると、完全にNGです。
ケーブルとしてライザーカード電力供給用の6pinー6pinケーブルを確保するのが、必要となります。
最後に
これまで、おおよそコネクタ同士を繋いでいればいいや、という感じでしたが、安全にマイニングするためには、きちんと調べて規格を満足する形で組んでいかないといけませんね。
現状、仮想通貨市場は低迷していますが、将来性を見込んで、動いていきたいと思います。